2008年07月21日

プラハ編7・小ネタいろいろ

<プラハ編6(チェコ映画)>へ

すっかりご無沙汰してます。
元来サボりなもんで
お客さん増やさな!とか
告知したい!とか
こちらの欲望に沿った時しか
ブログみたいな面倒くさいもん
書く気が起こらん……ちゅうだけで
残念ながら馬車馬のように働いて
死にそうになっているわけではありませんので
ご心配なく&仕事の電話お待ちしております……内容によりますが。

てなわけで
書き漏らしていたプラハでのモロモロを一気に書き散らし、
これで残るはポーランド編のみ……っと。
(「撮影日誌はどないなってんねん」)


【欧州旅行記過去記事一覧】
・ドイツ編(
・夜行列車編(
・チェコ編(
・ポーランド実況編(

記憶も薄れてきているので
大した事件があるわけでもないので
順不同小ネタ的箇条書きにて失礼します。


◎プラハの恋
 前にも書いた気がしますが、プラハでは
アジア人と言えば韓国からの観光客が筆頭です。
「プラハの恋」というTVドラマが放送されたのが
ひとつの要因らしいのですが。

それはともかく、何日目かのこと
プラハの裏道をブラブラしてたら
韓国人の女の子2人組に「Hello」と
声を掛けられました。
(30代半ばにしてナカナカ人生まだまだ捨てたもんでもないわい)
などと足を留めると
「エクスキュースミー」と微笑んだ困り顔で話し始めます。
(道にでも迷ったんかな?)と思っていると


「ギブミーマネー」
(……)
「なんで?」
「私たちお金なくて今日何も食べてないんです」
「で?」
「マクドナルドとかでいいんで……」

(どーするオレ?)
1・女の子とゴハン食べるチャンス!
 マクドと言わずレストランで一緒にランチ
2・何もせんと金貰えると思うな、恥を知れ!と
 追い払う
3・もちょっと話を聞く

これがペ・ドゥナちゃんとイ・ヨンエさんの
二人連れとかなら、即決で1なのですが
(フェミニストの皆さんゴメンちゃい)
彼女たちは
「ペドゥナというよりも〜」
「いうよりも〜」
「ソンガンホと園佳代子〜」(c パンチdeデート)

で、
しばし沈黙の後、3を選択し
我「どっから来たの?韓国?」
園「そう」
我「いつまでいてるの?」
園「明後日まで」
我「泊まるとことかは大丈夫なの」
園「それはもう取ってあるので」
我「これからどうするの」
園「わかりません。だから……」
園「お願い、お金ちょうだい」
ソ&園「オネガ〜イ」
我「……」



けっきょく
「僕も金ないから」という言葉と
憐れみと淋しさの入り交じった視線を投げ掛けながら
2コルナ硬貨(約15円)を手渡し別れました。
背中にかかる「センキュー」という2人の声も空しく響くのみ。

しかしこのような出来事をもって
「最近の若いもんは」とか「韓国人は」とか
言う気はありません。
うわぁ、でも韓国の爺さんとか聞いたら激怒しそうですね。
日本人に金恵んでもらうなよ!とか。むむむ
皆さんやったらどうしますか?


◎カナダからのベース弾き
P1030695.JPGユースホステルで同室になったKeithはカナダから来たベース弾き。
ベースはベースでもエレキではなく、でっかいダブルベースです。
休暇で来たというわりに、毎日ベース持って街に出て
演奏してケッコウな金を稼いでました。
本国ではCDも出してるとのこと。
myspaceだかfacebookだかにも載せてました。
プラハはストリートミュージシャンにとって
かなりいい街らしいです。



腕に覚えのある猛者は是非。
しかし街全体がヨーロッパ文化の権化みたいなとこなので
西洋楽器ではアジア人には不利かもしれません。
津軽三味線とかでチャレンジしてみてはどうでしょか


◎マフィア!
チェコと言えば人形劇!というわけで
国立マリオネット劇場に行ったのですが
毎日公演があるわけではなく、
その日はお休みでした。
せっかく来てくれたのだから、と
受付のオジさんが劇場の中や楽屋を見学させてくれて
「日本はいい国だ」とヨイショまで。
「明日は公演あるから又来てくれ」と
笑って送り出してくれた帰り際にもう一言。

「(ちょっと小声で)カレル橋のたもとにもう一軒マリオネット劇場があるが
 あれはニセモノだ。チェコの人形劇じゃなくてジプシーなんだ。
 あいつらマフィアだから絶対行っちゃダメだ!」と
憎々しげに言われて
親切なオジさんにも暗い差別の心は
潜んでいるんだなぁ、とちょっとサビシくなったのでした。

因みに「ジプシー」とは「エジプトから来たヤツら」と
いう意味で、歴史的に差別の匂いを纏った言葉です。
現在「政治的に正しく」は彼らの自称で「ロマ民族」「ロマ」と呼ばれます。
なぜエジプト人と呼ばれたのか詳しくは知りませんが
民族的には、元はインド北部にいたのがヨーロッパに移住してきたとされてます。P1030883.JPG







写真は翌日観にいった「チェコ人による」
チェコ伝統の人形劇(でもなぜか「Don Giovanni」イタリア語オペラやん。まあモーツァルトがプラハで書いたオペラだかららしいですが。次はチェコ語の肉声人形劇を見てみたいです)。
ちょっとテープ(CDか?)というかスピーカーの音が悪いのが
2時間聞くにはキツかった。

人形劇自体は……絶賛はできません。

正直に言うと文楽の方がよく出来てる気がしました。
ま、イタリア語分からんからちゅうこともあるでしょうし、
それを分かってるからこそ(なんせお客さんはインド人韓国人アメリカ人……)
ベタなギャグをヌルい間で連発したりするので
観光客向けでない真剣勝負で見直したいです。
人形を動かす技術自体は面白かったです。

こうなったら「ジプシー」の方も見たらよかったかな


◎スラブ式愛情
キース他同室のオッサン4人で
(スウェーデンからのマグエル、イギリスからの……名前忘れた。仮にアラン)散歩。
川で立ちションしたり、広場で建ってる銅像見て「これ誰や?」「知らん」、
すれ違うチェコ女性見て「うおぉ」と唸ったり、
とまるで中学生男子の集団。
途中、第二次大戦前夜の話になるが、英語力不足で色々話したいのに
うまく単語が出てこずにもどかしい。

歩くうちにバーを見つけてなだれ込む。
カウンターに壮年の男女。
女が、煙草をくわえながら
物凄い怒りを込めて男に注文付けている。

我「(アランに)あれ、ああ見えて意外と怒ってなかったりして」
ア「いやいや、あれはどう見ても怒ってるよ」
我「でも、スラブ的愛情表現かもよ」

その間にも、女は男を指差して眉間に皺寄せて
三白眼を血走らせています。

ア「賭けるか」
我「よし」と50コルナ硬貨をカウンターに置きます。

しばし観察。
女「ニェスチェーシチ!ヴラディチェースケナメスティフラドーヴァ!(てきとー)」
男「(ぼそぼそと)ジェヴロースクシュビーチカ(勿論てきとー)」
女「(こっから雰囲気意訳)そんなことばっかり言ってるからアンタだめなのよ!」
男「そうだな、まぁその件に関しては引き続き善処するということで……」
女「違うのよ、要はアンタがあたしのこと好きかどうかってことじゃないのさ!
 あたしの心は決まってんだよ!アンタが欲しいんだよ!!」
と、突然ブチューッと女性からチューなさいました。

口を離しとたん「ニヤーリ」と5億円の詐欺に成功したみたいな悪巧み笑い。
放心状態のアラン君から50コルナせしめたのは言うまでもありません。

ま、どっかに「onceダブリンの街角」みたいな
可愛らしい恋人たちもいるのでしょうが。



◎ドーブツ園
P1030739.JPGプラハの「美しい街並」に息苦しさを感じるまでになってきたので
郊外の動物園に行ってみました。
日曜日とあって家族連れとカップルで溢れ返ってます。
ヨーロッパ狼がデカかったです。
あれの群れに襲われたらひとたまりもないな、と
昔の旅人の気分を想像してみました。
あと、巨大な犬を連れてきてる人が多くビックリ。P1030763.JPG
P1030778.JPG
左)ヨーロッパ狼……ではありません。

右)白い熊と白い犬




◎カレルクリル
Karel_kryl.jpgCD屋を何軒か巡ったものの
共産主義博物館で聴いた曲を見つけられませんでした。
しかし、帰国してから、
チェコの通販で見つけて購入。
惜しむらくは歌詞カードが入ってないことですが
原詞はネットで見つかりました。
誰かチェコ語のできる人、お願いしまーす。
http://en.wikipedia.org/wiki/Karel_Kryl


「Děkuji(ジェクイ)=ありがとう」
詞曲:カレル・クリル

Stvořil Bůh, stvořil Bůh ratolest,
bych mohl věnce vázat,
děkuji, děkuji za bolest,
jež učí mne se tázat,
děkuji, děkuji za nezdar:
ten naučí mne píli,
bych mohl, bych mohl přinést dar,
byť nezbývalo síly,
děkuji, děkuji, děkuji.

Děkuji, děkuji za slabost,
jež pokoře mne učí,
pokoře, pokoře pro radost,
pokoře bez područí,
za slzy, za slzy děkuji:
ty naučí mne citu,
k živým, jež, k živým, jež žalují
a křičí po soucitu,
děkuji, děkuji, děkuji.

Pro touhu, pro touhu po kráse
děkuji za ošklivost,
děkuji za to, že utká se
láska a nevraživost,
pro sladkost, pro sladkost usnutí
děkuji za únavu,
děkuji za ohně vzplanutí
i za šumění splavu,
děkuji, děkuji, děkuji,

Děkuji, děkuji za žízeň,
jež slabost prozradila,
děkuji, děkuji za trýzeň,
jež zdokonalí díla,
za to, že, za to, že miluji,
byť strach mi srdce svíral,
beránku, děkuji,
marně jsi neumíral,
děkuji, děkuji, děkuji, děkuji, děkuji...


関連動画
http://uk.youtube.com/watch?v=u--oXWQYnqY
http://uk.youtube.com/watch?v=C-Zih_8lT5c&feature=related
http://uk.youtube.com/watch?v=E2qBnIVK7n4&feature=related
http://uk.youtube.com/watch?v=Riyfa9Vxxhw&feature=related



◎大崎さん!
プラハのマリオネット屋で
「キャッチボール屋」の監督、大崎さんをハッケン!
(分からん人ほっときますよ……
 いや、やっぱり分からん人はココをClick!


P1030517.JPG

































そんなこんなでチェコプラハ編終了。
最後にトピックにもならない写真を何枚かオマケ


P1030699.JPG黒澤作品がチェコ字幕付きで約200円。
東宝の魔の手もここまでは迫ってないようでした。
天国と地獄を購入。チェコ語では「NEBE A PEKLO」

P1030868.JPG果物のクネドリーキ。
甘いもの好きなら一度は食べてみて
かなりウマいです

P1030863.JPGP1030525.JPGいいものはそれなりの値段がするのですが
さすがマリオネットは色々面白いのがありました。

右の写真のいちばん右にぶら下がってる死刑執行人人形が
欲しかったのですが、7万円したので諦めました……。


P1030543.JPG
米軍のアンテナ建設に反対する若者たちが
署名を集めてました。信号待ちのオジさんが窓を
開けて署名に応じた上、話し込んでいたのが印象的でした。




P1030853.JPGP1030873.JPGとにかくどこ見回してもキレイな街ではありました
さいならプラハ!




<東欧盗賊列車の旅1>へ
posted by 小林聖太郎 at 17:18| 大阪 ☀| Comment(8) | TrackBack(0) | たびにっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ソン・ガンホと園佳代子では、「プラハの恋」も成立しませんね。
「金くれー」と声かけてくる韓国人は受付ませんね。
日本人ならどうやろ?男でも女でも助けるやろか?!御飯くらい食べさせてあげるやろか?!

ソン・ガンホと園佳代子ならお断りかな。。。
何か芸でもしてもらうか、何か物でももらうか?
ソン・ガンホと園佳代子の体を使ったサービスは受け付けないねぇ。
やっぱり”可愛い子には旅をさせろ”ですか?!
Posted by ポコペン at 2008年07月22日 17:29
記憶が薄れる前にありがとうございました!楽しみにしてました♪

ソンガンホさん・園佳代子さん・・・わからず検索してしまいました。女子2人を見てパッとこのお名前が出てきた監督がすごい!と思います!
私もこの部類(失礼〜)なので断られるタイプです・・・
「カレルクリル」の関連動画3つ目「Bratricku zavirej vratka」?はどこかなにかで聴いたことがあります。映画かなぁ・・・?意味はわかりませんが訴えてるような嘆いているような曲だなぁと。
マリオネットは(ご存知だと思いますが)ナチスドイツによってチェコ語が禁止され、忘れ去られる危機を救った芸術・・・となにかでやってました。人形それぞれ独特の顔立ちですね〜


Posted by me at 2008年07月23日 09:37
ブログ楽しく拝見させていただいています。
ご旅行の際に日本語環境がなくてご苦労されたとの事でしたが、
Linux(リナックス)を使われてみたらいかがでしょう。
Linux(リナックス)、distribution(ディストリビューション)、
Ubuntu(ウブントゥ)といった単語で検索なされると簡単に
調べられると思いますし、書店でもLinux関連の書籍や雑誌
が簡単に見つかると思います。
CDブートのほかにもUSBメモリやポータブルHDDからの
ブートもできますし、要求されるマシンスペックもWindows
ほど高くないので外国でも大丈夫かと思います。
お時間が空いたときに一度ご検討してみては如何でしょうか。
Posted by K at 2008年07月23日 15:42
記憶の薄れる前にレポートありがとうございます。
韓国人の二人組はその後どうなったのか気になります。帰国できたのか?本当の目的は?
スラブ式愛情表現なんかはテレビドラマで見るアメリカの恋愛劇とちょっと違いますね。むしろ日本に近いような感じました。
Posted by 園田のファン at 2008年07月24日 10:42
えっと、色々誤情報と云うか
そんな感じなんだけどそうじゃないんだよね的な
お話がこのシリーズ中あったのですが
旅日記はそのヒトが感じたまま得たままの知識で書いていい物だと思うので、いちいちはさらうの止しました。

でも、ここで1点だけ。
ストリートミュージシャンの件ですが、
日本からこの記事を観て挑戦しに行く人が
いるかも知れない、いないかも知れない。

その際手っ取り早くカレル橋に突撃するでしょう。

駄菓子菓子、
アソコでストリートなにがしをするには
ライセンスが必要なのです。
勿論持たずにやってる人もいますが、
トラムでチケットチェックを他の人はやられてないのに
アジア人と見るやセキュリティーな人が駆け寄って来ちゃうような所です。
警察が「ライセンス見せろや」とやってくる確率も
高いでしょう…(´・ω・`)
しかも、十中八九、撤収だけではなく罰金を払わされる事になるかと。
そして、まぁこれは日本人にはないかもしれませんが、
「パスポート見せろや」に発展しパスポートを携行してなかったり、
宿泊先がホテルなら大丈夫でしょうが
杜撰なホステルとかで外国人滞在者の報告を怠ってたりされてて
「外国人警察に連絡行っとらんやんけー」とか、
芋づるにいちゃもんつけられたら、もぅ幾ら取られるか…(;´Д`)


シャイな日本人の
チャレンジ精神を煽るのは結構なコトだと思いますが、
何かおススメする際にはお気を付けくださいませね><
まぁキースくんもその話知ってるのかはわかりませんが(^^ゞ


そしてジプシーについてですが
(ジプシーは差別用語ですが便宜上この呼称で書かせて頂きます)
自分たちをエジプトから来た聖なる人々と
『嘘を吐いて』迫害を避けた、と云う話があります。
他称ではなく。
「ジプシーは嘘吐きで信用ならん。そもそも〜」とか
この辺で言われるのの引用に使われたりもするです。
こちらのブログを読んでいると
他民族が勝手にそう呼んだので実際間違い、
と云った印象を少なからず与えるかと思います…
どう思われますか?
(まぁこちらもジプシー研究者ってワケではないので…
 チェコ在のジプシー出身の友達とかはいますがね。
こちらでも、ジプシーの人たちは自分たちのルールで
暮らしているので、軋轢は仕方のない事に思います。
例えば列に並ばない。横入り上等。
彼らを非難してる訳ではありません。
ただ、そう云った概念がないので、
こちらがそう言ってもわからない、とだけ思ってます。
仕方のない事であって、そう云う社会なだけで
彼ら一人一人の人間性が悪いってワケじゃないと。

ただし、同じように、そのお陰で迷惑がかかっている
チェコの人たちの心情も理解してます。

映画館に行きたかった・て話がありましたが、
旧市街周辺でない住宅街の映画館の夜の上映に行くと
高い確率でジプシーの方々と出会します。
そんな時は、あぁ〜外した、と思っちゃうんです。

と言うのも、
「ヲィイ!家で観てるんじゃねーんだから!`;:゛;`;・(゜ε゜ )」
と思わずなっちゃう程、
うるさいんです。
大声でお喋りしながら、鑑賞するんです。
自分たちだけじゃないんだから
周りの人に迷惑をかけないように、
とかはないんですよね。
で、チェコ語字幕じゃなくて英語のオリジナルの音で聞いてるので
なんだかんだノイズバリヤーで聞き逃したり。


モチロン、全員が全員そうなワケではないと思います。
ただ、平均的にそのような傾向があり、
実際ソレが許される社会に生きていらっしゃると、
そう云ったワケで。

また年金払ってない(放浪の身で国籍ないからを理由に)のに
年老いてどっかにトドマリテェ、ってなって
この地を選んでしかも年金よこせ、
それじゃぁ…まぁ、ここの人たちに嫌われても…な
部分はあるかな、と(^^ゞ

全て一端ではありますが、
ツラツラと自分の意見/観ているものを書かせて頂きました。
(コメントとして表示頂かなくてもおkです<(__)>)
Posted by from Praha at 2008年12月09日 00:46
度々スンマセン。

ジプシーの話、なんでそんな噛み付いたん?って
思われたかもしれません。
多分、マリオネット劇場のおじさんの件が
引っかかったからだと思います。
私もそのおじさん知ってるんですよ。
私の彼氏もそのおじさんに同じ話聞かされてるし。
多分、外国人にその話強調するんですね。

で、これはジプシー差別ってよりも
プライド問題だと思うんですよ、
UNIMA総本山としての。
王の道にある人形劇場は、別に歴史とかなく、
チェコ=マリオネットで有名、
最近この道観光ルートだからここに作ったら
アフォな観光客総さらいじゃね?みたいに作られた劇場、
装飾も内容も通俗的、マリオネットスクール出身者って
プロが演るワケでもない、
歴史も伝統もない安い人形使ってる、
おまけに演目は国立の方と一緒のジョンドバンニ、
とか思ったら『本家本元』としたら穏やかじゃないですよね、
一緒にされたらタマンネェって意味で。
単純に興行収入の問題としては、
競争社会だからビジネス上それでそっちに客取られても
仕方ないと言えばそれまでですが、
そもそもこの国にはまだ顧客獲得の競争ってない
ゆるいビジネス環境なんで、まぁ……
(これはちょっと、ここではなく先進国に住んでる人にはわかりづらいかも…。

て云うか、完全にパクり劇場ですからね。
他人のふんどしで相撲取って儲けてたら
そりゃぁオリジナルにしてみたら腹立つでしょう。
実際、あっちを『国立マリオネット劇場』だと思って
入ってしまううっかり観光客も少なくないですから。
観光客騙してやろうって姿勢への非難もあるんだと思います、
おじさん的には。

ジプシーの方はがむしゃらになんでもやれることやって
お金を得ようってガッツから、
そのようなビジネスも始めたんでしょうがね。
ま、狡いのも才能だし、
過酷な生活環境下で人の迷惑だとかかまってらんない、
「でもそんなの関係ねぇ!」なのでしょうが、
チェコの方、しかもふんどし盗まれちゃった方なんかは、
批判的になっても仕方ないですよね。
私はそれを差別とは言いたくないです。
「ジプシーみたら財布隠せ」なんて物言いも、
それが産まれるような背景が積み重なりとしてあったんでしょうし。
ジプシーの人たちだって、ここの国の人と交わってる人たちは、
そう云う扱い受けても仕方ない事をこちらもしてる、
とある程度わかってると思いますし…。
いあ、そゆ概念もないかな…難しいな、私ジプシーじゃないし。
そしてチェコ人でもないので、
このどちらかの立場を擁護する事も非難する事も言えないと思ってます。
その国にはその国の事情あるし、
民族には民族の事情あるんで。

自分が実際被った迷惑がある事には言えますけど、
映画館で一緒になると困る、とか。
それはチェコ人が愛想無いとか、そゆレベルの話で、
差別と云うより『こう云う傾向があるから気を付けよう』的な
ものに近いと思うんですが。
これこれこうだから排除してやろう!とか
他所で悪口言い立てるとか、
拡声器もって街頭に立つとかで無いし。
ここに住まわせてもらってる立場ですから、
自分でイヤな思いをしたくなければ気をつければいい、と
注意している事項のウチで。

まぁ、こゆ事は公に喋れる事でなくて
暗黙の了解で、ここに暮らす人たちは抱えてるんですよね。
ジプシーコミュニティに迷惑かけられたり
横暴な振る舞いにイラッとしたりは
少なからずみんな経験する事ですから、外国人でも。


…と、まぁなんか生真面目な話題ばっかりだったので
映画の話でも。

笑いのツボが違うってのは非常によく感じてます。
スパイダーマン観に行った時、
主人公が意図せずガールフレンドに暴力を振るってしまい
「あ…(゚Д゚;」
みたいなシーンで劇場大笑いだったんですよねw
ちょ、ここ笑わせようと思って・なシーンじゃないから!ww
そゆのはとても面白いです。
因みに同行していたフランス人イギリス人スコットランド人は
笑ってないどころかその笑ってる場内にドン引きしてましたw
Posted by from Praha, again at 2008年12月09日 02:57
>from Prahaさん

色々ご指摘ありがとうございます。
所詮1週間、知り合いもなく街プラプラと彷徨っただけの
滞在者なので間違い誤解などもあると思います。
訂正、補足は大歓迎です。

ただ、差別に関して言えば
仰ることもとてもよく分かりますし、
あのおじさんに対する僕の評価も良い人だということに
変わりはないのですが、
「あのマリオネット劇場はイカサマだから行くな」と言うのではなく
「あのマリオネット劇場はチェコのものでなく『ジプシー』だから行くな」
と(憎々しい顔で)いうのは
(外国人に英語で言うのでそぎ落とされてしまったのものがあるとはいえ)
やはり差別の根っこだと思うのです。

差別される者に原因があるというのも
あらゆる差別被差別の状況において語られることです。
ナチスはユダヤ人を金融恐慌と共産革命の原因だと宣伝しました。
一部のユダヤ人が金融資本を牛耳っていたのは
事実かも知れませんが、それをもって
「ユダヤ人だから」排除や抹殺されなければならないというのは
誤りだと思います。

自分とは異なる者を排除したいという
人間の根源的な欲望がもとになって
対象を十把一絡げに分類した時点から
差別が始まるのだとおもうのです。

でも、とても難しいですし
どこかで「差別はなくならない」とも思っています。

在日の友達が、婆ちゃんに
「うちは両班(ヤンバン=李氏朝鮮の貴族階級)やから、
他の朝鮮人とは違うねんで」と幼い頃から言い聞かされてた、
という話なんかを聞くと、
人は人を差別することで自らを確立させるものなのかも、
とさえ思います。

ほんまに難しい問題です。
でも、確かに「王の道」の観光マリオネット劇場は
いかにもインチキ臭いですよね。
あの通り全体が、という気もしますが。

Posted by kobayasi at 2008年12月09日 09:20
今晩は。始めまして。

チェコは童話的な国であるし、美しい街なんで一度行ってみたいとは思いますが、聞いたところによればチェコ人のロマ人差別は酷いらしいですね。

「カレル橋のたもとにもう一軒マリオネット劇場があるがあれはニセモノだ。チェコの人形劇じゃなくてジプシーなんだ。あいつらマフィアだから絶対行っちゃダメだ!」と憎々しく言われるのはもちろんの事、ロマの子どもが特殊学校に入れられたり、ディスコや職場を追われたり、更には学校でいきなり暴力を振われたりと差別はかなり酷いらしいです。
これ(チェコのユーザーがアップロードした映像ですが、余りにも過激なので見ないほうがいいです)
http://www.youtube.com/watch?v=dxDFenGwOQU

そのおかげでチェコから逃げ出したロマ人が続出してEU内でも問題になっていますが、アメリカでも黒人に対する偏見や暴力が酷く、その人形劇のオジさんと同じ様な論調がアメリカにいて、「黒人の選手や黒人の監督のいるチームに入らないほうがいいぞ!(ボブ・ウィーランド著「腕で歩く」より)」と野球選手志望の白人に度々言い聞かせていました。

黒人に対する暴力は警官にまで及んでいましたが……
http://www.youtube.com/watch?v=1BFChCQ9LdY

現在では黒人に対する見方が改められて、オバマ大統領が就任するまでに至りましたが、チェコ(に限らずハンガリーなど)でもロマに対する見方も改めてくれる事を願うばかりです。

それでは、失礼します
Posted by Helter-Skelter2008 at 2009年06月27日 00:33
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