←チェコ版
……ではありませんが、
忘れた頃にやってくるのが
天災とヨーロッパ旅日記!
てなわけで、何のこっちゃって方は
↓こちらから遡ってみるもよし。
↓ 分からんなりに読んでみるも良し。
↓ もう皆さん(たぶん)大人なんで
↓ 私からああじゃこうじゃ言いませんよ。
↓
↓
【欧州旅行記過去記事一覧】
・ドイツ映画祭編(1/2/3)
・チェコへの夜行列車編(1/2/3/4)
・チェコ編(1/2/3/4/5/6/7←最新)
・ポーランド実況編(1)さてさて、前回ドイツ〜チェコ間で
夜行に乗った時には6人コンパートメントだったのですが、
チェコ鉄道はドイツよりちょっと安かったので
ちょっとだけ贅沢に4人部屋にしてみました。
それでも(たしか……なんとなく)6000円ぐらいです。
距離にして……ざっと500〜600キロ(相当アバウト)です。
フランクフルトから着いた時とは違って
プラハ本駅から出発するのですが、
夜の駅は、暗くて人が少なくて
座れるところもあまりありません。
地下部分。まだ明るい
ホームのある階へ通じる地下通路。
ようやく見つけたカフェらしき場所も
(たしか)10時すぎという時間だったからか
薄暗ぁくて、目つきの鋭い怪しげな男がチラホラ。
(怪しいところでは、デジカメつかわず写真なし)
早よ電車来ぇへんかなぁ、と心細くなりながらも
壁際の椅子を確保し、唯一の荷物であるリュックは
机の足にワイヤーロックで固定した上に
警戒を怠らずに休息。
発車の10分前にホームに移動しました。
今回は始発駅なので、さすがに列車は入線してました。
が、車輛がものすごく……
……ポーランド国民の皆さん気ぃ悪せんといてね……
……モノッスゴくボロい……。
←スローシャッターなので
実際の2倍ほど明るく写ってます。
(写真の右端ぐらいが見た目通りな感じ)
ドイツから乗ったのがザクだとすると
こちらはリアルタイプザクという感じ
(年代と性別を狭ぁく絞った喩え)
しかも乗り込むと
廊下にトイレの匂いが
溢れています
まあ、客室は汚くはないし……
安いからいいとするかっ
なんて思いながら、
シーツを探したりしていると
車掌さんが声をかけてきました。
「ティケッツプリーズ」
はいはい、持ってますよ。
むむ、む?
ツンと鼻の奥を刺すこの香り……
車掌さん、あなたワキガでいらっしゃいますね。
と息を止めているこちらに構うことなく
車掌さん、一歩近づいてきて
耳元で
「キヲツケロ、ドロボーイッパイ(一応英語。以下同じ)」と
言うではありませんか。
しかも、今夜はこの車輛に客が2人しか乗ってないので
特に盗賊に狙われやすいから油断するな、と。
(そ、そんな、夜行列車で油断するなって言われても……)
車掌さんは相変わらずマイペースで
こちらの酸素不足や戸惑いを無視したまま
僕の荷物を勝手に持って行きます。
(東欧ではニセ警官に気をつけろって聞くが、もしやニセ車掌?)
慌てて「それオレの」と取り返そうとしますが
「ドロボーアブナい、2人イッショ」と言うではありませんか。
荷物を放り込んだのは4つ程隔てた6人部屋。
「4人部屋の料金払ってるのに」と抗議しますが
「ドロぼーアブナい」と相手にしてくれません。
「差額を払い戻して」とも言ってみますがムダなようです。
チッ、けっきょくそういう運命か、と諦めて、
よく部屋を見ると、
本来乗る筈だった4人部屋とまったく同じ作りです。
どうやら、ベッドが6つあるという部屋の作りは同じで
6人来る可能性があるのが6人部屋、
満員になっても4人しか乗せないのが4人部屋ということ
のようです、たぶん。
釈然としたわけではありませんが、少なくとも
寝心地が悪くなるわけではないので、
(しかも、ホンマにマジな顔で『ドロボーいっぱい』と言われたこともあり)
素直に6人部屋に引っ越すことにしました。(日本人ですなぁ)
同室……というか、唯一の同乗者は……
やはりバックパックを背負った………
……西洋人の女の子です。
車掌は、彼女にも「ドロボーいっぱい」と脅してます。
そして、電灯の位置などひと通り、レクチャーしてくれた後、
我々二人に直径2センチぐらいのチェーン錠を渡すではありませんか。
え?これは?
車掌「寝ル時ハ、ゼッタイにこれカケロ、ドアのカギも忘レルナ。
オレ隣の部屋で見張ッテルから心配スルナ」
そんなに盗賊乗ってくるんスか?
っていうか、もしオレが盗賊かレイプ魔やったら
チェーン錠バンザイじゃないっすか!?
上段のベッドを選んだ女の子がハシゴを上っていきます。
このまま無言だと気まずいしなぁ。
怪しまれないように、やっぱり挨拶しとくかな
「ええっと、ショータローっていいます。日本からです。よろしく」
「どうも。わたしエミリー、オーストラリアからよ」
「何か気になることがあったら力になるからいつでも起こしてよ」と
声をかけたりして、気をつかいながら寝支度……を
しようとするも、シーツも枕も毛布もありません。
車掌さぁん、錠前の前にシーツちょうだいよ〜
2人であちこち探すものの見つかりません。
「よし、言うてきたるわ」
いつの間にか、列車は動き出しています。
廊下を歩いていくと、
控え室から車掌さん飛び出してきて
「大丈夫か!?ドロボーか?」
えーっと……
うんうん、たぶん尋ねてる意味においては……
大丈夫ラんレすけロ……、
毛布も何もないんすよ、と息を止めながら
お願いすると、
何だドロボーとちがうのか……毛布なんか要るのか、
といった感じで控え室の奥を漁る車掌さん。
車掌さん車掌さんと鬱陶しいので
以降、仮にワキガノフとでもしましょう。
消毒済みぽいビニール袋から一揃え二組出してくれて
手渡しながらワキガノフ「カギ、絶対ワスレルナよ」
いや、もう何組盗賊団乗ってくるんやろ?
乗客対盗賊の割合で言うたら1対10ぐらいなんちゃうの?
と、ここまで来たら
盗賊が来るのを楽しみにしながら部屋に戻ると
エミリーさん、ドア開け放し、
Tシャツにパンイチでもう寝る体勢です。
もしもぉし、盗賊乗って来ぇへんかったとしても、
もちょっと警戒しはった方が……。
ま、別に成長しまくった冬の羊みたいな姿を見て
ナニも思いませんけどもねぇ。
「はい、シーツと毛布に枕」と、あまり上を見ないように渡して……。
おっと、カギカギ……とバイク用のチェーン錠のような
ブットイやつを2重3重にして扉と金属枠を括りつけます。
さらに、扉についてるカギをかけて……。
「おやすみぃ……」
<東欧盗賊列車の旅2>へ
つづく……
【関連する記事】
『エミリーさん、ドア開け放し、
Tシャツにパンイチでもう寝る体勢です』
・・・相当監督に対して警戒心ゼロだったんですね〜エミリーさん!お子ちゃまなのか眠くてしょうがなかったのか・・・?それとも何かのアピール・・・(笑) スイマセン・・・
東欧盗賊列車の旅2 楽しみ!!!
もう15年くらい前、取材で香港へ行った帰り、
成田に着いたのが夜で、大阪から参加した、
私と、某情報誌の美人ちゃんが、
成田のホテルに1泊することになりました。
もちろん部屋は別々ですが、
私が廊下の自動販売機でジュースを買った帰りに、
美人ちゃんの部屋の前を通ると、
鍵穴にキーを指し込んだまま。
「これは何か謎めいた誘いか?!」
とも思ったのですが、
頭を振って、「違う、違う」と自分に言い聞かせ、
ノックして、美人ちゃんにキーのこと注意して、
自室でおとなしく寝ました。
翌朝、美人ちゃんの姿はとうになく、
先に帰られてしまいました。
次回作の準備などでお忙しいでしょうが、続編をなるべく早くお願いします。
いえいえ、忘れても諦めてもないのですが、
ついつい……サボりなので。
この後、クラコフ編、アウシュビッツ編と
続く……でしょう、たぶん。
>ポコペンさん
ワタクシも、女心の分からなさにかけては
自信があります!マッタク威張れることでは
ありませんが……。
>園田のファンさん
煽るだけ煽って中身は東スポ級……と
ならないよう、ガンバ……るつもりです。