2007年02月04日

アンタダレ?

肩書きって難しいですよね。
会社勤めの方とか、公務員さんとか、職人さんやったら、

「○○課の××係長」とか
「消防士」とか
「鋳物師」とか
「詐欺師」とか
「スリ」とか「泥棒」とか「火つけ」とか「殺し屋」とか…。

まあ、色々な職業が世の中にはあるわけですが、
職業や所属をハッキリと規定できない人々も
この広い世の中には、いっぱい居てはりまして…。


我々、映画業界の人間もかなりそこに近いと思うのです。
ドラクエでいうところの「あそびにん」というか…。

人とお会いすることも多いので、
名刺なんか作っちゃったりなんかするわけですが、
自分の名前だけっていうのも名刺の意味がないような気がして、
なんか肩書を書こうとするんですが、なかなか決められませんでした。


そもそも「映画監督」って、どういう人なんでしょう?

自分では「わたし映画監督です」っていうのに
なんか抵抗がありますね。
人前で「カントク!」なんて呼ばれたら、
なるべく返事したない、というか…。

聞いた話によると、「カントク!」というのは、
粗製濫造時代に、いちいち覚えてられない監督たちを呼ぶのに
便利だということで呼ばれ始めたコトバで、
尊敬されてた方々は、現場で「黒澤さん」とか「溝口さん」と
固有の名前で呼ばれていた、とのことです。
ホンマのとこ、どうなんかは知りませんが。

でも、真偽に関わらず、僕もできたらその方が気持ちいいですね。



で、名刺。

こないだまでは
「活動屋」と書いた名刺を持ってました。

20070203164417.jpg
←今は
「『かぞくのひけつ』監督」と書いてます(連絡先はナナゲイ)。

この作品における役職としての監督であって、
職業だという意識が(まだ?)ない、のでしょうか?


1本撮っただけで「映画監督」になったとは
思えないですし、この先も「監督になる」というのとは違う気がします。
一本イッポン「監督する」だけです。
腹括れてないだけなんでしょうか?

ううむ……。

映画監督って何だ?カチンコ

浦山さんドキュメンタリーの取材で長谷川和彦さん
(「青春の殺人者」「太陽を盗んだ男」の監督)が
話してくださった話で印象に残っている言葉。
「職業なんですか?って聞かれて『映画監督』って言うのはさ、
 20数年も映画撮ってないとさ、なかなか恥ずかしいものがある。
 『さいきん何撮られたんですか?』って聞かれても『もう最近じゃないんですが…』って
 答えなきゃいけないっていうような、その苦しさと恥ずかしさだな。
 かなりホンットウに映画を撮りたいっていう強い思いが自分の中にないと、
 映画監督と自称できなくなる」

うーん、やっぱり腹括れてないだけなのか?

それでも最近、猫も杓子も自称しているような
「映画監督」になりたいとは思ってません。
くだらない映画を監督するぐらいやったら、
脚本でも助監督でも美術でもいい
「オモロい映画を作りたい!」という欲求の方が強いです。


そう!

名前なんてどうでもいい。
「オモロい映画を撮ること」
それがイチバン大事。


「でも、名前が一体なんだろう? 私たちがバラと呼んでいるあの花の、
 名前がなんと変わろうとも、薫りに違いはないはずよ。ロミオ様だって同じこと、
 名前はロミオ様でなくなっても、あの恋しい神のお姿は、名前とは別に、
 ちゃんと残るに決まっているのですもの」
(『ロミオとジュリエット』<シェイクスピア著・中野好夫訳 新潮文庫>64頁/
  第二幕第二場・キャピュレット家の庭園・ジュリエットの台詞より抜粋)


とはいえ、名前がないと困るとすれば、
そして、アメリカ先住民たちのように、
成長してからの行為によって名前がつけられるとすれば、
「オモロい映画を作る者」でありたいものです。


繰り返しになりますが、あらためてここに宣言します。
ただ、オモロい映画を作るのだ!

ちゅうてね…


posted by 小林聖太郎 at 16:48| 大阪 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | ざっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
1月29日(Mon)19:05 At:JUSO

会社帰り、阪急電車を降りて自宅へ向かっていたとき。喜八州の前で小林監督をお見かけしました。

その2日前、ナナゲイで雀々師匠の落語会と「かぞくのひけつ」を拝見しました。

その2日後、お見かけしたので思いっきり声を掛けてみました。

その時は「かんとく」と声をおかけしましたが、少し迷惑そうでした。
私が思ったのは「シャイな方なんだなぁ」と。

あまり「監督」と呼ばれるはお好きじゃないようですね。
こちらも突然声をおかけして失礼しました。
これからも頑張って欲しいという気持ちを伝えたかったんです。

ところで、肩書きですが、私は「○○株式会社」のサラリーマンですが、サラリーマンに見られたことがありません。
名刺を出しても疑われる始末です。

監督とは少し違った悩みです。

次回、お見かけすることが会ったら「小林さん」と声を掛けてみます。
Posted by サラリーマン at 2007年02月04日 21:28
>サラリーマンさん
いえいえ、こちらこそ挙動不審で失礼しました。
最近、人の名前を忘れる事が多く、
どこかでお会いした方やったかな?と
戸惑ってしまったのです。
でもシャイ…というか人見知りには違いないですね。
ともかく、ご声援有り難うございます、これからも頑張ります。
Posted by kobayasi at 2007年02月05日 00:32
黒澤明は「先生」だったよ。
これが一番嫌でした。
Posted by アホニー at 2007年02月05日 10:43
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