映画のブログとは言えなくなってきているのを承知で
今日も雑談です。
お話でも映画でも実在の人物でも、
漂流者、反逆者、はぐれ者、天の邪鬼や、
それらについての物語…に心が躍ります。
ワタクシ自身、
決して経済的に恵まれない境遇にあった訳ではないはずなのですが、
それ故の疾しさ…なのか?
或いは、父方の祖父が高知の田舎で味わった極貧が血に織り込まれているのか?
頭デッカチと言われるかもしれませんが、
人一倍、社会の不正、不平等には敏感でありたいと思ってきました。
人間のあらゆる活動は政治に関わっているという認識もあるので、
映画も政治から逃れることはできないと思ってもいます。
非政治的映画も政治的なのです。
何が言いたいのか。

CAPAが好きなんです。
ロバート・キャパこと
アンドレ・フリードマンは、
今のハンガリー・ブダペスト
生まれのユダヤ人で、
ベルリン→パリ→ニューヨークと
活動の拠点を移しながら、
小型カメラの発展とともに、
スペイン内乱や第二次大戦において
戦争写真家として名を成します

←オマハビーチ上陸の臨場感溢れる写真
(ブレやピンぼけではなくて
現像所の技師が興奮した為の
フィルム現像の失敗だそうですが)も
もちろんいいのですが、
<『ちょっとピンぼけ』ロバート・キャパ著・
川添浩史/井上清一訳・文春文庫>

←パリ解放時に、戦時中ドイツ兵と
恋仲にあった女性が丸刈りに
されて嘲笑されている写真や、
停戦間際に窓際で血の池に
倒れている兵士の写真にグッと来ました。
この写真や「暗黒街の弾痕」「死刑執行人も又死す」で
F・ラングが描く民衆社会の残酷さに、とても興味があります。
「はだしのゲン」なんかもそうですね。
何かあんまり前フリと関係ないよな気もしますが、
まあ、とにかく「ちょっとピンぼけ」、
読み物としても面白いのでオススメです。
特に出だしで、雑誌社から英国行きの取材の依頼を受けながら、
米政府に敵国人扱いされて身動きが取れなくなってしまった時に、
コインで運命を決めようとするシーンが好きです。
「ところで、私にはタイプライターもなく、
ポケットにはただ五セントのニッケル貨があるだけだ。
そこで、私はその裏表で身の振り方を決めることにし、
表が出れば、人殺しをしても英国にいってやるし、
もし裏の場合は、だんぜん小切手を送り返して、
その事情をコリアーズ誌に説明しようと決心した。
私は五セント玉を放り上げるーーー、と出たのは裏だ。
かく相成ると、もう一枚のニッケル貨などに、
わが未来を託すわけにはいかないーー」
彼のように、生き死にかかった状況でこそ笑えるようでありたいです。
そしてピンキイやゲルダ、
イングリッド・バーグマンといった
素敵な女性と巡り会いたいものです、ふふふ…。