2007年07月28日

是本名也

なんのこっちゃ?

Gaikotsu_Miyatake.jpg

実は、
わたくしの尊敬する
宮武外骨という人がいまして…
今日が命日なんですね。

で、上のタイトルですが、
何のことかと申しますと


そもそも外骨は
幼名を亀四郎と言ったのですが、
これを嫌い、19歳で宮武「外骨」
(亀は外骨内肉であることから)と
改名したのです。

しかし、役所など、事あるごとに
「本名を書いて下さい」と
言われることに腹を立て、
「是本名也(これほんみょうなり)」と
いうハンコを作る始末。

変わり者であることは間違いないのですが
いったい何した人なのか?
というと……Wikipediaから引用してみます。

宮武 外骨
(みやたけがいこつ
 慶応3年1月18日(1867年2月22日)
 〜昭和30年(1955年)7月28日)は、
明治〜昭和期のジャーナリスト、新聞史研究家、
江戸明治期の世相風俗研究家である。(中略)
尚、晩年に「外骨」の読みを「とぼね」に改めている。
(中略)
現在の香川県綾歌郡綾川町小野に
庄屋宮武家の四男として生まれた。
反骨精神に富み、自ら新聞、雑誌を刊行して
政治や権力批判を行ったためたびたび発禁、差し止め処分を受けた。
(引用終り)


「発禁、差し止め」なんて軽く書いてありますが、
実は何度も投獄されてます。
最初は、自ら発行する「頓智協会雑誌」という

本の誌面で、明治憲法発布をパロディにして
明治天皇の替りに骸骨が「頓智研法」を発布して
いるイラストを載せたがために不敬罪で逮捕。

その後も官吏侮辱罪。新聞条例違反などで
何度も逮捕されますが、
逆に獄中生活を誇るほどで
全く懲りずにひねった毒を吐き続けます。

日露戦争に反対したり、
郵便局長や警察の汚職を告発したり
猥褻罪での起訴に異議申し立てしたり、
監獄から出てきてすぐに新聞上で
「俗吏共メ 此の珍しい男を重ねて監獄へ
 打込みたくば何べんでも打込め」と挑発する始末。

しかも
社会の腐敗に厳しいだけでなく、
洒落やちょいエロといったお楽しみも
忘れないゆるさと、
毒の吐き方に工夫を忘れない、
というより、
工夫しているうちに、
工夫そのものを面白がってたりする
アホらしさが堪りません。


一度見て頭から離れない記事も
沢山あるのですが、なかでも
次の4コマ漫画風イラスト(文字で再現ですが)
は強烈でした。


「世の中には役割がある」(タイトル内容共に不正確です)

1・子を仕込む役(髭に紋付の中年男性)
2・子を孕む役(着物姿の若い女)
3・子をおろす役(医者)

ここまでは、まあ……
よくあるっちゃあよくある話でして。

4・子を捨てる役(看護婦)
5・子を汲む役(肥汲みの老人)

いやぁ、それも「役」か……と。

そんなんで、
古本屋で「スコブル」「はあと」
「滑稽新聞」などを見かけたら
是非読んでみて下さい。


あるいは
入門編として
・赤瀬川原平著 『外骨という人がいた!』(ちくま文庫)
      ISBN 4-480-02572-3
・吉野孝雄著『宮武外骨−民権へのこだわり−』(吉川弘文館)
      ISBN 4-642-05495-2
・吉野孝雄著『宮武外骨』(河出文庫)
      ISBN 4-309-40345-X
・吉野孝雄著『過激にして愛嬌あり』(ちくま文庫)
      ISBN 4-480-02610-X
のような本を読んでみるのも
魅力が凝縮されていて
いいかもしれません。

てなことで、
こんなオッサンになりたいと
思っている次第です。

あらためて宣言
「過激にして愛嬌あり」


posted by 小林聖太郎 at 11:57| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ざっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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