衣裳合わせ、リハーサル、スチル撮影……と
着々と準備は進んでいたが、一方その頃……
(すっかり忘れてもうたわ、という方に、撮影日誌一覧です)
<1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12/13>
賢治役の久野くんと村田役の小堀くんとは、
スタッフと同じ東三国のマンションで
合宿生活を送っていました。
朝は6時に起床し、神崎川をジョギング。
それから体操したり声出したり歌を歌ったり。村田役の小堀君は関西学院高等部の
グリークラブ(男声合唱部)に所属している(撮影時)ため
「♪フランク永井はテーオンの魅力(by 牧伸二)」で
朗々と学歌なんかを歌い、久野君は………
…何歌ったか忘れました。
特典満載「かぞくのひけつ デラックス版」には
メイキングも収録されてますので
それには、チョコッと合宿朝練の模様も映ってます。
帰りは大衆食堂に入ってみんなで朝ご飯です。
昼間はリハーサルや名作映画鑑賞。
たまに学校。
夜も映画観たり試験勉強したり台本読んだり……。
ここで、ちょっと脱線しますと
映画の撮影にも、大きく分けて二種類ありまして、
主に撮影所のセットで撮影されるものと
地方で長期間ロケするものと。
10年程、助監督やってる中では
どちらかといえば長期間地方滞在型作品が
多かったせいもあるのかもしれませんが、
東京都内の撮影所で朝から夕方まで撮影して
終わったら、各自がバラバラに家に帰って
また翌日集まる、というスタイルだと
どうも物足りないというか、
映画を撮った気がしないという傾向があります。
それに、全部が全部というわけではありませんが、
合宿型の方がスタッフキャストに一体感が生まれ、
よい作品になることが多いような気もします。
てなわけで、予算がないのに
大阪が地元の久野くん小堀くんなのに
合宿してみたわけです。
効果は……あった、と
思うんですが……どうでしょう。
合宿中、日々続くロケハンと
リハーサル中(クドいですが、このへんもメイキ……以下略)にも
本を書き換え書き換え、
最終的に入稿したのは撮影の数日前でした。
よせばいいのに、表紙のデザイン(の真似事)まで
手を出してしまって、寝る間もありませんでした。
一方、東京を出発前に少し打合せしただけの
音楽担当Flat Threeの岩田くんとはメールで
デモ音源を送ってもらい、修正してもらうと
いうやり取りを繰り返してまして、
クランクインの頃には、ほぼテーマ曲は固まりつつありました。
これは助監督時代の経験がモノをいったことの一つだと思います。
日本映画で(特に予算がない作品)は、
なかなか音楽に予算も時間も回りにくく
ヒドい時には、撮影が終わってから
音楽家が決り、絵の編集が進み出してから
初めて見た映画に1、2週間で
全ての音楽を作らなければいけないということも多いのです。
畢竟、コンピューター打込みや、
著作権フリー音源などを
使うことになってしまうのですが、
どうしてもそれは避けたかったので
「とにかく生楽器」ということにはこだわりました。
そんなことをしてるうちに
東三国駅西側の立ち食いうどんに通う日々は
あっという間に過ぎ行き、
クランクインの日の前日になったのでした。
この日は、一日中、(ほぼ)すべての現場で
現場リハーサルをしました。
撮影に時間をとれないので、
事前の準備は入念に入念に。
大体の芝居の流れやキャメラアングルを
打合せ、皆でお好み焼きを食べて結束を深めました。
えーーーと……
久々に書いたら
クランクインまで行き着く前にムダに長くなったので
続くことにします。
<撮影日誌15>へ
つづく!
……はず
ラベル:撮影日誌