2008年05月30日

プラハ編6・チェコ映画

<プラハ編5(ダリオ&ジェニー)>へ

ダリオ君とアフリカを満喫した翌日、
ユースのお姉さんに「ぴあ的なフリーペーパー」を
見せながら「オススメ映画は?」と調査。

字幕がなくても分かりそうな、できればコメディがいいな、と
伝えると
「Venkovski učitel(ヴェンコフスキー・ウチテル=田舎教師)」
というのがイイんじゃない?とのこと。いくつかの映画館でやってたのですが、
時間的に少し郊外のシネコンに行くことにしました。
郊外といっても地下鉄で15分ぐらいです。
外に出ると、美しすぎるプラハ旧市街とは
趣きが異なり、日本にもよくある団地群が広がってました。

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そこに地下鉄と小さなしょぼいショッピングモール。
そしてその横に小さなシネコン。


正直言うとプラハの美しい街並に飽き始めていたので、
ちょっとホッとします。
すごい美女がユニクロのジャージで現れたみたい、というか、
アンタにもやっぱりこんなとこあるんやね、と共感を覚えるというか。

中に入り、チケット売場のお姉さんに
「Venkovski učitel」を指差しながら「One adult please」と言うと
険しい顔でチェコ語の返事がベラベラベラ。
じぇんっじぇん分からないのですが、
雰囲気(と「チェスケ(=český?)」という言葉)で
「これ、チェコ語の映画で字幕ないからアンタ見ても分かれへんで」的な
ことを言ってるらしい、と推察します。

「OK, I know」と言ってもなかなか券を売ろうとしません。
親切心のつもりなのかもしれませんが。
(何でもええから売ってくれよ)と思いながら
デタラメ英語でプッシュすると
渋々、といった感じで券を出してくれました。

小さめのスクリーン3に向かうと切符キリのオバちゃんが
横の掃除のオバちゃんと喋りながらやる気なくモギリ。
劇場に入ると客ゼロ。
お客さんの反応も含めて見たかった僕としては
「しまった、中心部の他の劇場行ったらよかった」と
思いましたが仕方ありません。
上映まであと10分ほどあったので
トイレに行っておこうと出ていっても
オバちゃんはまだお喋り中。

さすがに映画館のトイレはチップなしでいいのか、
と安心して用を足して戻ろうとするとオバちゃんに止められます
「ティーケッツ」と怖い顔で言うので
半券を見せると「ディス、ノー」と宣うではありませんか。
わけを聞くと、券が切られているかららしい……。
唖然としましたが負けるわけにはいきません。

「いやいや、オバちゃん、あんたが自分でほんの2分ぐらい前に切ったやん」
とさすがに腹が立ったのでまくしたてると
「リアリー?」とトボケてます。

「自分でついさっき切ったことぐらい覚えといてよ」と
文句言うたものの、敵もさる者、
「そこまで入りたいんやったら入れば?」てな感じで
謝るどころか、あくまで「タダで入れてやった」扱いです。

腹立ちますが、無駄なエネルギーを使うと
海面が上昇するらしいので黙って劇場内に入ると、
1つ後ろの席にお婆さんが一人入ってはりました。
(2人っきりか)若干お婆さんも緊張気味です。

そろそろ上映が始まるという時になって
若者3人組とカップルが入場。
ようやく映画が始まります。



(以下ネタバレ……って見る機会ないか)

プラハの教師が田舎に赴任して農家にホームステイ。
マジメな感じで田舎生活の描写が続きます。
ある日、ステイ先の未亡人にキスされかけますが
拒否する主人公。ひょっとして……?

そう、主人公はゲイで、
どうやら男たらしのオジさんとの恋に破れ
ここに来たらしいのです。
でも、ステイ先の長男に手を出しかけたり、
主人公を追いかけてきた筈の元恋人は
長男のガールフレンドに手を出したり(バイってこと?)
と皆さんお盛んです。

長男に「キモイんじゃ!」とあしらわれた主人公は
自殺未遂を図りますが、未亡人に救われます。
で、最後なぜか井戸掘る主人公……。


なんで?

よう分かりませんでした。

大体どこがどうコメディなのか?
(まあジャンル分けに意味はないとはいえ)
人間関係に悩む繊細な同性愛教師のお話でした。
それにしては、もうちょっと深みがあってもいいですしね。

チェコの人たちの反応は「悪くない」ぐらいだったと思います。



それから3日後、今度こそはコメディ、と
念押しして「Václav(ヴァーツラフ=チェコでポピュラーなファーストネーム。
ハヴェル元大統領もヴァーツラフ)」という映画を観にいきました。
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今回は街のど真ん中にある図書館の地下。

市民の為の上映会といった趣きで
料金も通常の劇場より安く
日替わりで最新の映画をやってました。

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東京で言うとフィルムセンターに近い雰囲気と
客層(主に高齢者)ですが
会場はもう少し大きく1000人は入ってる模様。
(クロークとレストランがちゃんとあるあたりはヨーロッパですね)

映画の方はというと、
農村に母と2人で住む(落語で言うところの)「アホ」が
村のみんなから疎まれ笑われ蔑まれてる日常の描写
(これに観客が馬鹿ウケしているのにはついていけず……。
あ、でも愛用のチェコサッカーナショナルチームのジャージが
背中向けると共産党時代の略称が書いてあるところなんかは
客席とともにニヤリしましたが)に続き、
(弟とは反対によくできた)兄の許嫁に惚れてしまい、
ますます周囲に疎まれるストーカー描写。

母にプレゼントをと思い、手編みのセータを作るものの
洋服の呈をなしておらず、自己嫌悪に陥ったかと思うと
突然モトクロスを見にいって
バイクに目覚めるのかと思ったら
ちょっと練習したかと思ったらそれ以降まるで触れられず。
そのうちに、惚れてる女の子にお風呂で××してもらったかと思えば
偶然手に入れた拳銃で兄を殺そうとして
弾丸発射……のはずが、なぜか死んでおらず(なんせチェコ語0%……)
でも刑務所に。

刑務所でもリンチされまくり衰弱。
母は同名の大統領に向け減刑嘆願の署名を始めるが
村人から嫌われていた彼にはほとんど集まらない。
途方に暮れる母……で、「これは実話です」的な字幕で終わり。


むむむむ……チェコ映画……
台詞が分かったら、
もうちょっと評価するところもあるんでしょうが……
なんともかんとも……。
ちょっと分裂気味に感じました。

あとギャグらしきもの(会場は結構ウケてた)が
あまりに差別的というかプリミティブな笑いで
笑えなかった。
知的障害(アスペルガーっぽい描写も)を持つ人を
笑うには、もうちょっと周到な仕掛けが必要だと
思うのは(現代の)日本の感覚なのでしょうかね?

「Venkovski učitel」の方は、時々むやみに長いワンカットが
あったりするのが興味深くもありました。
どっちも言葉のサポート有りでちゃんと見てみたい……
ような気もするけど、まあもうええかな。



んなわけで、
次回プラハ小ネタを書いたら、
そろそろポーランドへ行ってみましょう。
(書くの飽きてきた……わけではありま……せん)

お楽しみに。


<プラハ編7・プラハの小ネタ>へ
posted by 小林聖太郎 at 05:55| 大阪 | Comment(0) | TrackBack(0) | たびにっき | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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